惡の壺

今回は前回に引き続き、キューティエルシリーズへのリクエスト『プロトＱＴＬが脱皮して今のＱＴＬになった救済編』です。リク絵企画もいよいよゴールが見えて来ましたが、いましばらくおつき合い下さいませ。

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〈これまでのあらすじ〉
　あるとき、下界すなわち我々の住む世界と魔属たちの住む魔次元界の狭間に亀裂が生じ、漏れ出した魔力の影響で動植物が異常進化した下界獣となり人々を襲いはじめた。現世の秩序を守る超天界から派遣された巨大天使キューティエルは人々を守るために勇敢に下界獣と戦い続けたが、やがて下界に侵入して来た魔属の前に脆くも敗れ、捕われたキューティエルは執拗に陵辱されたあげく無惨にも殺害されてしまうのだった。




「はぁっ！」

「ぐっ！」


「そこまで！　この勝負デスティエルの負け。従ってキューティエルに代わる下界守護の任務には…」

「待ちなさい」


「…アルティエル様？」


「どうなさいました、アルティエル殿。我ら些細なことも見逃さず公正にジャッジいたしましたぞ」

「デスティエル、なぜわざと負けたのです」


「…ふぅ…わかっちゃった？」

「スキだらけの攻撃で誘い、たいしたことのない技に大げさに倒れ…私の目はごまかせません」

「…つぶってるくせに」

「え？　デスティエル、わざと私に負けたの？　どうして？　下界に行きたくないの？」


「ああ、行きたくないね、下界には」

「なぜです？　貴女はキューティエルの親友、遺志を継ぎ仇を討とうとは思わないのですか」

「仇は討つよ…だから、下界には行かない」

「…魔次元界か？」


「正解。下界になんか行っても仕方ない。魔次元界に乗り込んで魔属を、全滅させる」

「ちょっと、超天界と魔次元界の間には不可侵の掟が…」

「知ったことか。キューティエルが殺されたんだ、奴らの生存を許してたまるか」


「…仕方ない、ふたりとも、これを見なさい」


「キューティエル!?」

「キューティエルの肉体は滅びたが、魂は消滅を拒みふたたび転生して戦いの地獄に身を投じることを望みました。我々も彼女の意志を尊重しここに魂を保護しましたが、しかし新たな肉体を錬成するにはかなりの年月を要するでしょう」


「よ、良か…ひうっ!?」

「それを、早く言って…」


「デスティエル殿！何を」

「別に軍配はいらないよ。他に、候補は居なかったよね」

「なっ！」


「アルティエル、伝えておいて。先に下界で待ってるから、早く来て、って」

「ひ…ぃぁ…」


「…アルティエル殿…」

「仕方ありません、行かせなさい」


「デスティエル…巨大天使としての戦闘力は最強と言っていいでしょう。しかし…未熟な心では血は押さえきれぬか…忌まわしい魔属の血は」


「キューティエル、やはり貴女に託すしかないようです…」


「アルティエル殿、お言葉ですがその者の肉体ではレベルが低く完璧な再生はできないのでは」

「時間が無いのです…それに、彼女の死を無駄にしたくありません」


「天　使　転　生」
















「キューティエル…魂の休息も無いままに貴女をふたたび戦場に送り出すことを許して下さい…貴女は」

「私は、巨大天使キューティエル。私の使命は現世の秩序の維持、そのために下界に生きる人々の生命を救い、愛に溢れる平和な世界を守ること」


「そして…デスティエル…あの子の心の暴走を抑え、正しき道に導くこと」


「お帰り、キューティエル」

「私の、ここでの名前はね…」

「知ってる。けど、僕はキューティエルって呼ぶから。どんな姿で、どんな名前になってもね」

1. 2012/09/23(日) 22:07:12|
2. 巨大天使キューティエル
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4. | コメント:6

エルの再生の描写が見たいと思っていたときに
ちょうど更新されていたので良かったです。

1. 2012/09/24(月) 01:02:26 |
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3. chan #-
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chanさん、こんばんは。涼しくなったおかげでＰＣの熱もあまりこもらなくなりまして、やや快適に制作できるようになった…ような、そうでもないようなw
　ちなみに、新登場のアルティエルはウルトラの母ポジションといいますか、地位は高いものの蘇生や治療担当で基本的には非戦闘員という感じに設定しました。だから武器になる腕輪を装着してないんです。決してつけ忘れてたわけではありませんw

1. 2012/09/24(月) 01:24:08 |
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3. MFJ #MSsD658o
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超天国もすごいところですね・・・割り切っているというかｗ

最後のシーンがなぜかすごく気に入っています。
とてもドラマを感じさせるというか、映画のワンシーンを観ているようですね。

1. 2012/09/24(月) 21:25:03 |
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3. 草宗 #-
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拝見しました。
前回の黒幕キャラとは一転してのプロトＱＴＬ…なかなかハードな展開ですね。
でもそう言う魂をあえて糧にして再生するＱＴＬ…いわゆる「天界も人間からすれば…」パターンを抜きにしてもかなり過酷な業を感じます。

そしてディスティエルの設定…お約束とは言えこちらもかなりのハードな展開の様ですね。
この辺りがどうドラマになるのか。

クローバーはそう言う形でしたか。
なにか優しくも厳しい母性を感じるのは自分だけでしょうか。

今回もいい作品を感謝です。

1. 2012/09/24(月) 22:50:30 |
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3. ＴＫＭＥ #/k8K4ErU
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草宗さん、キューティエルはシチュエーションの自由度を高めるためにも設定やストーリーを作り込まないようにしよう、と思っていたのですが…無理でした（汗）やはり自分は根っからお話づくりが好きなようです。題材はヒロインもの限定ですがw
　人間態が変わるという設定にしたのであまり変身前は出せないと思いますが（手持ちの髪型や衣服のネタが…）キューティエルとデスティエルの絡みは今後もいろいろと狙っていこうと企んでいます。

1. 2012/09/25(火) 01:03:47 |
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3. MFJ #MSsD658o
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ＴＫＭＥさん、お題を頂いた時点ではパラレル展開を想定していたんですが、作ってるうちに本筋のサイドストーリーになってしまいました。しかしよく考えたら「救済」になってないような気が（汗）
　アルティエルのデザインはクローバーだからバba…もとい、高位の天使なのでエロさより高貴なイメージを模索してみました。他の巨大天使同様に頭部や装飾品は自作プロップですが、顔や胸のパーツに干渉しないように位置調整するのはなかなか大変でしたw　ダイヤの天使は…いまだに悩んでますw

1. 2012/09/25(火) 01:42:01 |
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3. MFJ #MSsD658o
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